自衛官を辞めてから
自衛隊の話はどこに行ってもウケる
自衛隊を辞めて10年、あれから色々あったが今は自営業をしている。似たような言葉だが、自営業は自由でいい。自衛隊とは正反対だ。
自衛隊時代の仲間で今も付き合いがあるのは同期隊員の一人だけだ。後は何をやっているのかも知らない。
自衛隊を任期満了で辞める奴には自衛隊が就職サポートをしてくれるのだが、オレの同期や先輩隊員の進路は就職難もあってか、就職活動はあまり芳しくなかった。
退職の時点でまだ就職先が決まっていない人も多かったし、決まってもパチンコ屋でバイトとかが多かった。
退職間近の人に自衛隊辞めてからどうするのか、についてよく話をしたが、特にやりたいこともなく、どうすればいいかわからないと言う人が多かったように思う。
大抵の人は20代前半で自衛隊を離れることになる。まだ若いし、自分のやりたいことを見つけられないのは仕方ないのかもしれない。
でも、自衛隊で培った体力と、理不尽に耐えぬいた精神力はあらゆる職場で発揮できそうな気はするのだが、あとは本人の希望次第だ。
オレの場合、自衛隊での経験が直接役に立ったことはあまりないが、自衛隊の話はどこに行ってもウケた。ある意味刑務所と同じで閉鎖的な世界だし、自衛隊内のことはあまり世間一般には知られていないし、みんな興味津々だった。
そうそう、オレが普通のサラリーマンになって、入社式のことだ。自衛隊の基本教練バリの礼や方向転換などをすると、社長や会長から激賞された。同期社員や先輩社員もオレが自衛隊にいた事を知ると、一目置いてくれた。結局その会社は辞めてしまったが。
しかし、なんだかんだで、オレも自衛隊のことは嫌いじゃないから今も予備自衛官として年に5日の訓練に出頭している。当時はあまり好きではなかった駐屯地も、今行くとあの頃を思い出して熱くなる。
駐屯地の食堂の飯も美味く感じるし。