自衛隊と一般のサラリーマンとの違い

違いは色々あるけどつらいのは一緒

オレは自衛隊を辞めた後、普通の会社の会社員も経験した。
やっぱり自衛隊とは違うなあと思うことも多かった。
下っ端自衛官と下っ端サラリーマンの視点から、オレが気付いた違いをまとめてみる(幹部視点だったらまた違ってくるかもしれない)。

★頑張っても頑張らなくても給料は同じ
自衛隊でもボーナスの査定はあるが、金額的な違いは極わずかだった。基本的に頑張っても頑張らなくても給料はほとんど同じ。民間企業では程度の差はあれもっと違いが出る。

★自衛隊では仕事で金の話は出なかった
プライベートでの金のトラブルはよくあったが(笑)、仕事で売上とかコストとかの話はなかった。それって恵まれた話だ。民間企業では売上が悪いと上層部はピリピリするし、コストカットだなんだとうるさい。

★基本的に残業がない
24時間勤務とかは時々あるが、基本的に残業はなかった。5時に仕事が終わって、営外者は自宅に帰るし、営内者も消灯まで基本的に自由。民間企業で5時に帰れるところってあまりない。オレもサラリーマンの頃は毎日夜9時まで働いていた。

★マナーができてない
民間企業では社外の人とも会うことは多いし、マナーは重要だ。自衛隊の人はやっぱりちょっと世間からズレてる。以前、予備自関連で地方連絡部に電話したら、かなり荒っぽい電話対応で驚いた。民間企業であれはあり得ない。メール送っても帰って来なかったこともあるし、どうなってんだ。

★悪い意味でとんでもない人がいる
自衛隊には絶対民間企業ではやっていけそうな人って少なからずいる。それどころか、自衛隊より刑務所か病院に行った方がいいような奴もいる。オレの会社では、自衛隊みたいに悪い意味でとんでもない人はいなかった。

★人間関係が濃い
良くも悪くも人間関係が濃い。民間企業はもっとドライ。

★若い人が多い
任期制隊員と若年定年制のお陰で自衛隊は若い人が多い。

★様々なタイプの人がいる
オレのいた会社では皆似たような人ばかりだったが、自衛隊では本当にいろんな人がいて、面白かったし、時としてムカついた。
民間企業の場合、入社資格が大卒、○○学を学んだ人、○○の経験のある人、みたいに限定されているが、自衛隊では幹部以外はそういうのが緩いので様々な人があつまるのだろう。

★明らかにダメな人が高級幹部だったりする
防大出や大卒で幹部試験に合格したら3尉からスタートして、すごいスピードで出世する。本人の実力も関係するだろうが、ある程度自動的に出世する部分もある。明らかにダメっぽい人が連隊長だったりすることがある。数ヶ月間だったが、我が部隊の連隊長はあり得んと思った。まあ、自衛隊だけでなくキャリア官僚の世界ではそういうことは少なくないのかもしれない。
民間企業では新卒新入社員でいきなり課長とかあり得んし、やっぱり実力主義だと思う。

★男しかいねぇ…
自衛隊ほど男比率の高い職場ってそうそう無いだろう。オレのいた中隊は100%男だった。民間企業でそういうのは珍しい。

全体的に見て、やっぱり自衛隊は特殊なところだと思うし、自衛官は良い悪いは別として民間サラリーマンとズレていると思う。

ただし、自衛官もサラリーマンも8割つらくて、2割だけ楽しいのは同じかもしれない。
他のページで、散々自衛隊はつらかったと書いているが、サラリーマンの頃もそうだった。自衛隊だけ特別しんどいわけではなく、給料もらって仕事をするところでは大変な思いをするのはどこでも当たり前だと思う。



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