陸士から見た自衛官の階級

最強の階級は陸士長?

自衛官の階級について、最下層の自衛官だったオレの主観を交えてまとめてみた。

階級 役職・仕事内容 オレの目にどう映ったか
陸将 方面総監・師団長など なにかの式典の時に1回か2回見た程度。しかも100m以上先から。正直、偉すぎてペーペーには関係がない人。
陸将補 旅団長・学校長など 陸将と同じく下々の自衛官には関係ない人。
一等陸佐 連隊長など オレのいた普通科連隊のトップが一等陸佐だった。田舎の駐屯地では「神」。部下は数百人程度。下っ端自衛官でも話す機会はないわけではなく、オレも一回か二回話しかけられた。
二等陸佐 大隊長など オレがいた田舎の駐屯地では5人ぐらいいたと思う。教育隊の頃の大隊長とは何度か会話した。
三等陸佐 中隊長など 一応、下々の自衛官が日常的に接する限界が三等陸佐(中隊長)あたり。とは言え、恐れ多いのでこちらから話しかけることはあまりない。
一等陸尉 中隊長・副中隊長など オレの中隊ではNo.2が一等陸尉だった。偉い人なのでこちらから話しかけることはあまりなかった。
二等陸尉 小隊長など 部隊のNo.3あたり。なお、大学院卒の幹部自衛官は二等陸尉からスタートするので妙に若い二等陸尉もいる。
三等陸尉 小隊長など 3尉(三等陸尉)には陸曹上がりの古参兵と幹部学校を卒業したての若手エリートがいる。古参兵タイプは下から慕われる人も多い。若手3尉は自分よりかなり年上の部下を持つことになるのでプレッシャーは相当なものだろう。
陸准尉 専任など 幹部なのか陸曹なのか曖昧だが、多分幹部。曹長止まりの自衛官が多い中、准尉まで進むのは優秀だったからか。ほとんどの准尉は定年間近。部隊の最古参である場合も多く、年寄りなので現場からは遠い人。
陸曹長 小隊長など 40代50代のベテラン自衛官が多い。経験豊富で頼りになる存在。オレの小隊の小隊長も曹長だった。下っ端自衛官からずっと定年まで勤め続けるとおおむね曹長ぐらいになれる。
一等陸曹 小隊陸曹など 40代のベテランが多い。曹長と同じく頼りになる存在。わからないことがあって相談すれば大抵なんとかなる。
二等陸曹 班長など 大体が30代で体力と経験を合わせ持つ。実際の戦闘では一番強いのではないかと思われる部隊の主力。現場では若手を指示しながら自分も汗をかく現場監督的存在。
三等陸曹 班長など 大体が20代の若手自衛官だが、入隊が遅かった人は30代半ばぐらいの人もいる。陸士からすれば直の上司になるが、一緒に馬鹿話したりすることも多い身近な存在。
陸士長 3任期目以上は神 入隊して1年9ヶ月経てば自動的になれる。後輩がいるので、雑用はだいたい免除される。5年目ぐらいになると無敵になる。オレの部隊には10年目の陸士がいたが、3曹より偉かった。
一等陸士 雑用係 入隊して9ヶ月経てば自動的になれる。大抵の場合、部隊では新兵なのでこき使われる。仕事後も先輩に遊ばれる。一番つらい階級かもしれない。
二等陸士 教育訓練 はじめの半年は教育訓練なので、一般の自衛官からは隔離されて過ごす。自衛隊の最下層ではあるが、先輩がいないのでその意味では楽。部隊に配属されて色々驚くことになる。

ざっくり言って、下っ端の自衛官の場合、普通に話せるのは3尉か曹長ぐらいまでだと思う。それ以上の階級の上官は直接は関係ないし、直接命令されることもほとんどない。
この中で最強の階級は古参の陸士長だと思う。3任期以降はマジで神になれる(笑)。



4 Responses to “陸士から見た自衛官の階級”

  1. ななし より:

    准尉は幹部ではなく曹ですよ

  2. ちさと より:

    私は民間の人間ですが、自衛隊を経験された方の目線で書かれていてすごく分かりやすかったです!

    免責事項についてなのですが、
    『本サイトは最近の注意を払って制作しておりますが(※以下略)』
    とありますが、最近の注意ではなく細心の注意ではないのかなと思いました。

    • admin より:

      ちさとさん

      コメントありがとうございます。
      確かに、「最近」となってました。長い間気づきませんでした(汗)。
      ご指摘ありがとうございました。

  3. 通行人 より:

    はじめまして(*^^*)関西在住の中年元自衛官ですかなり古いですが(^-^;)自分も迫小隊でFDCでした  陸自、、戦闘職種は特に新兵にはキツイですね(^-^;)夜中の新兵集合で古参の士長に小突かれながら「貴様ら2士は皆平等や!皆平等に価値無しや!今は単なる糞尿製造器じゃ!」なあんて言われたときはムカついたと同時に上手いこと言いやがるなあと(笑)色々とありましたが今ではいい思い出です。

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