陸上自衛隊に入隊した動機

「好奇心」「修行」「金」

オレが大学4年生の頃だった。オレは大学に残るつもりだったが、このままダラダラと生きていくのもつまらんなあと思っていた。
ある日、漠然と将来のことを考えて本屋の就職本コーナーをウロウロしてたら、ふと自衛隊就職ガイド、みたいな本が目に止まった。それは単に偶然であるが、元々自分の中に自衛隊に対する潜在的な興味はあったと思う。オレは本を手にとってしばらく立ち読みした。
それで初めて知ったのだが、自衛隊には入隊コースが幾つかあるが、一番下っ端のコースは2年1任期の契約社員のようなものらしい(陸自は2年、海空自は3年)。
これだ!と思った。
一生自衛隊にいようとも思わなかったが、2年間限定で面白い経験ができて、心身が鍛えられて、しかも給料も貰える。俄然興味が湧いた。

結局その本は購入した。巻末に自衛隊の募集などを担当する地方連絡部(今は名称が変わっている)の住所が書いてあったので訪ねてみることにした。
と言っても、その時点ではっきり入隊を決意していたわけでもなく、パンフレットだけもらって帰ろうと思っていた。しかし、そこで自衛官の人に長々と説明を受けてしまって、「なんで自衛隊に来ようと思ったの?」とか質問されてしまった。そんなつもりじゃなかったオレは「今の日本が軟弱なのは徴兵制がないから」とかトンチンカンな返事をしてしまった(笑)。
しかしまあ、和やかに話は進み、後日駐屯地を見学しに行く事になった。それまで自衛官と接したことがなかったが、思ったより気の良い人達だった。

その後、駐屯地見学も行って、オレは自衛隊への入隊を決意した。と言っても試験は当然ある。(つづく)

【オレ以外の入隊者の自衛隊に入隊した動機】
入隊してすぐ、お互い知らない者同士の間で、「お前、なんで自衛隊に来たんだ?」という会話は非常によくあった。
オレが自衛隊に入隊した動機は「好奇心」「修行」「金」だった。
その他、同期の連中などがオレに語った、入隊の理由についてもすこしまとめてみる。なお、これは最底辺の自衛官の話であって、幹部候補生ではない。
また、大卒・社会人入隊者が3割程度で、高卒新卒者が7割ぐらいだった。

★最も多かったのが「自衛隊しか受からなかった」という理由である。幹部候補生ならともかく、一番下っ端の自衛官になるのは極めて簡単である。
消防や警察に行きたかったけど、落ちたから自衛隊に来たという奴も多かった。消防・警察・自衛隊の3大ガテン系公務員の中で最も人気がないのは自衛隊のようで、最も入るのが簡単であるようだ。

★なんとなく、という奴も多かった。家族や高校の先生に勧められたのだろうか。

★自衛隊が好きで入隊したのは全体の2割ぐらいだと思う。一応オレもこの部類に入る。軍事マニアみたいな奴もたまにいるが多くはない。親が自衛官という奴は意外に多いがそんな奴も自衛隊が好きだ。

★身を挺して国を守りたいとか、崇高な入隊理由の奴は一人もいなかった。

★昔みたいに街でスカウトされたという奴もいなかった。



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