部隊に配属されて驚いたこと

奴隷としての1年が始まる

後期訓練が終わり、いよいよ一般部隊で勤務することになった。
はじめのうちは驚くことが多かった。
先輩方であるが、かなりダラけている。靴も汚いし、アイロンもかけてない人も多い。「やらなくていいんっすか?」と控えめに聞いてみたが、「あんなの教育期間中だけだよ」とあっさり答えられた。禁止のはずだが部屋でタバコすってるし、これまでオレが学んできたことはなんだったんだと思った。
陸曹(上官)も明らかに仕事のできないヘタレや性格的に問題のある人も少なくなかった。そこで初めて教育期間中にお世話になった陸曹たちが優秀な人材だったということを知った。

それはともかく、この先1年、自分の下に後輩ができるまで、とても辛い期間を過ごした。
教育期間中は、オレの周りは教官と同期隊員だけである意味楽だったが、これからは自分たちの上に「先輩」がいる。それが一番大きな変化だった。

自衛隊では上下関係は厳しいというか、絶対である。いくら嫌なやつでも先輩は先輩なので逆らえない。

自衛隊の陸士はヤンキーの高校と同じで、1年奴隷、2年人、3年以上神の世界である。

配属されたての新兵は奴隷である。仕事上で指示を受けるのは当然としても、プライベートでも先輩のおもちゃにされてしまう。
なので、鬱陶しい先輩からいかに逃げるかが、新兵の重要な課題だった。

オレが配属された部屋は4年目と2年目の先輩がいて、そこにオレともう一人の同期の4人だった(実はオレと同期は4年目の先輩より年上だったが、階級と入隊年度がすべての自衛隊では関係ない)。
4年目の先輩は割とおとなしい人だったが、2年目の先輩にはまいった。悪い人ではないし、面白い人でもあったが、後輩いじりが趣味だったのでオレとしては非常に困った。
疲れて寝てるのに浣腸してきた時には殺してやろうかと思ったが、基本的には適当に付き合っていた。そんなわけでなんだかんだで仲は悪くなかった。

部隊の人間関係は書くと長くなるから別ページにまとめてみる。(つづく)



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