後輩がやってきて奴隷から人に昇格
それは2年間で最も嬉しい出来事だった
自衛隊で最も嬉しい出来事は「後輩ができること」だと思う。
部隊での雑用や、暇な時の先輩の遊び相手は新兵が務めるが、下に新しい奴が入ってくるともはや自分は新兵ではないのでお役御免である。いよいよ「奴隷」から「人」に昇格である。嬉しくないわけがない。
自衛隊の一般2士は年2回募集なので、半年ごとに後輩がやってくる計算だが、オレが配属されて半年後にはほんの数人しか中隊に配属されなくて、オレの小隊には来なかったので、結局立場に変化はなかった。配属されて1年経ってようやく小隊に後輩がやってきてくれた。
この後、オレが任期満了退官するまでの半年間が、最も自衛隊生活で楽しい期間だった。
居室は1年上の先輩と、オレと同期と、後輩1人の4人部屋になった。みんな仲が良かったので楽しかった。後輩も素直な奴で、雑用とかも文句言わずやってくれたのでありがたかった。
それ以降は緊張感もなくなってオレも随分とたるんでしまった。オレ自身が初めて部隊に配属された時に驚いたような、ユルーイ隊員になっていた。
思うに、自衛隊の陸士は長くいればいるほど楽しくなる。2年目は後輩はいるけど、それでも人出が足りない時は雑用を引き受ける。しかし、3年目、4年目と上がっていく内に、どんどん仕事が減ってくる。5年目以上になると正に「神」だ。すべて後輩がやってくれるし、陸士の間では無敵になる。普通、歳を取ると責任も重くなるが、責任は陸曹が引き受けてくれるのでずっと気楽なままだ。
これが陸曹だと事情は異なると思う。3曹の人は陸士の指導もあるし、仕事も高度になる。学ばなければいけないことも陸士より多い。とても神とはいえない。神と言えるには連隊長クラス、一佐まで昇進しないとだめだろう。
やっぱり自衛官は陸士にかぎる?
ふう〜ん、すごいね!
でも、意地悪っぽく言うと、、かつてのスパルタやテロ資本の民たちがアレキサンダーの気持ちを強く引きつけたのも、そういう上下関係がしっかりしたいっぽうつうこうの指示系統だったことを振り返ります。
上司が部下の底辺で集めてきた情報やアンテナをどういう風に組み立てるのか?整理するのか?彼らを道具に使うより、
底辺での素晴らしい観察力、洞察力をどう育てるのか?惑わされないために、より大きな視点との接点をもたせるのか?
指導力は反対に、神輿に担ぎ上げられた捕虜、人形にもされかねない中で、
テロリズムのプロ組織に動かされてしまわない為には、どうすることが必要で、どうすればいいのか?
見極めるにはどうすればいいのか?
通信は無線という目に見えない、むき出しで影響を簡単に受けてしまう無線で、通信網を任して、情報は守られ得るのか?
とか、、国の治安を守るためには、インフラの民営化自体、実は国の権限と統治能力とを大きく損ねる結果となったということでしょうか?