「人」の生活は楽しいが堕落してきた
楽しかったが堕落してきて…
入隊して1年半が過ぎ、後輩が入ってきてから、オレの生活は大きく変わった。それから退官するまでの半年間は自衛隊生活で最も楽しい期間だった。といっても6割つらい、4割楽しい、ぐらいの割合だが。
後輩のお陰で雑用の大半から逃れることが出来た。厄介な作業を押し付けられることも少なくなった。
居室は4人部屋だったが、先輩後輩同期とも仲が良かったので快適だった。
この頃になると、仕事にも慣れて、言われたことのほとんどを、そつなくこなすことができた。小隊の皆さんとの人間関係も良好だった。
そして、仕事のサボり方、いや、サボっても怒られない方法も覚えた。
普段の仕事では、本来3人でできる作業に5人回されるようなことが多かった。なので2人は余ってしまうが、ぼんやりしているとサボってると思われて、上から睨まれてしまう。そういう時は、ジッと立ち止まらないことが肝心だ。やることがなくてもとにかく動いて忙しそうなフリをする。
また、作業が終わって暇になった時、陸曹にお前何サボっとるんじゃ、と文句を言われることがあるが、そんな時はその人より偉い人の名前をすぐに出す。「小隊長からここで待機しとけと言われました」とか言っておけば、それでOK。それ以上追及されない。
そんな感じでうまく立ち回っていた。
退官する1ヶ月前は年休・代休消化でほとんど休みだった。この時だけは楽しいことが9割だった。
しかし、退官が近づくにつれ、しんどいことが減った分、刺激的なこともなくなってきた。もう一任期やったとしたら、楽かもしれないが、オレの性格からしてダラダラ過ごしてしまうだろう。
オレにとってやはり2年というのは潮時だった。
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