あの日、あの時…。オレの自衛隊体験談
オレは昔、陸上自衛隊の自衛官だった。
しかし最近では腹も出てきて体力もなくなってきた。かつての面影もない。
あの頃は、腹に贅肉なんて殆どついてなくて腹筋も割れてた。10分や20分走っても息切れしなかったし、今思えば信じられない。
ふと、「あの頃は良かった…」と言いそうになる。
でも実際、自衛隊生活の8割はつらいものだった。はじめの1年に関しては9割だ。良かったわけない。
確かにつらかったのだが、今思い出すと、妙に懐かしい。
強制されて嫌々やらされていたことも多かったが、あの頃はとにかく一生懸命だった。共に苦労した仲間の顔も思い出す。
陳腐な表現かも知れないが、良くも悪くもあの頃はオレの「青春」だった。理不尽で、あり得ないことばかりだったが、あの自衛隊で過ごした2年間は熱かった。
今の暮らしはあの頃に比べると遥かに快適だが、反面、あの頃の熱さはもうない。本当にオレもオッサンになった。
自衛隊を辞めて10年、当時の記憶も薄れつつあるが、年を経て、思い出がうまく整理できた部分もある。
だから、ここに当時の事を書きまとめてみようと思う。それは自分自身のためであるが、自衛隊に興味をもつ皆さんにもきっと役に立つはずだ。だからこうして公開する。
ただし、10年前の話だから今とちょっと事情が異なっていることもあるかもしれない。そこだけはご了承願いたい。